USAイラク戦争データ

2006年９月26日、アメリカ政府はイラク戦争とテロの関係について分析した機密報告書『国家情報評価』（NIE）の結論部分の機密指定を解除して公開した。イラクでの紛争が「イラク世界への米国の干渉に対する深い恨みを生み、地球規模のイスラム過激派運動への支持を拡大させた」と分析。今後５年間は、イスラム過激派が拡大を続けるだろうと予測している。（９月27日夕刊２面）

2006年11月×日、アメリカの中間選挙を×日後にひかえて、フセイン元イラク大統領への死刑判決が下された。アメリカの中間選挙では、イラクからの撤退を求める民主党が圧倒的な勝利をおさめた。

2006年11月14日、バグダッド中心部にあるイラク高等教育省ビルで、職員ら100〜150人が武装集団に拉致された。犯人グループは警察部隊の制服を着て警察車両で乗りつけた。同省はスンニ派の勢力下にあり、シーア派による暗殺目的の拉致との見方が強い。今年２月以降、毎日60〜70人規模の犠牲者が続く宗派対立の典型的な手口だが、白昼堂々、最も警備の厳しい首都の官庁を狙い、これだけの人数を一度に拉致する事件は過去に例がない。辺りはバグダッドでも最も警備の厳しい地区であり、警備をかいくぐることができる、シーア派民兵が牛耳る内務省の「死の部隊」による組織的犯行の可能性が指摘されている。バグダッド西部では13日、路上で野菜や果物を売っていたシーア派の農民約30人が拉致・殺害されており、シーア派民兵が報復を始めたとの見方が出ている。
　イラク国内の治安は、政府に対するアルカイダを始めとする反政府活動の激化というよりは、宗派対立による内戦の状況を呈し始めている。反アメリカ意識の強いスンニ派でも、シーア派の襲撃を防ぐためにアメリカ軍の駐留を望む声が上がっているという。